瞬間の断片

こぼれだす

冬の毎朝

 

あああアラームの音がする。なんとも言えないこの空間。言うならば天国のような暖かさと温もりの幸せの無の時間を邪魔をするアラーム音が今日も今日とてわたしの無を破壊しにかかっている。意識が少しづつ今日の朝に引きずり出されてたぶん現実を3分の1くらい理解して。音を止めなければいけないそれだけを、本能で理解して出来るだけ天国空間から飛び出さないようにiPhoneを探して止める。開かないまだ開かない目を無理やりこじ開けてうっすらな視界で時間を確認。ああまだあと5回はスヌーズかけられるな。。。ああでも昨晩も寝る時明日こそ6時台に起きて早起きして人生充実的なきらきらな朝にするって決めてたのになあ。でもわたしの体は布団にスライムみたいに張り付いて剥がれようとしない。あれ自分の体温だけでこんな暖かい天国空間作れちゃうあたり最高じゃないとか思いながらあれあれあれ、そうやって全部のスヌーズを止めていて、ああ今日も定時起床しちゃっていつもの感じの朝が来て。それでも目が覚めてもなお私は天国空間に未練たらたらでああこうやってまたいつもと同じように最大30分余韻に浸る。早く起きろよと言われても素直に綺麗に起きられない私は朝のこの行動だけでも自分の性格が現れているようではっとする。ああまたか、こうやってもたもた。布団の中でまずYouTubeなんかチェックして、amebaTVのアニメでなんかやってないかちょっと見回りして、そんなことしながら心の隙間からおいそんなことしてるなら早く出ろと自分のいい子の部分の声がする。さすがにさすがにもう出ようと思って重い布団に張り付いた体を起こして冷たい地面に肌をつけないように靴下を履いてスリッパを履く。まず顔だ。顔を洗ってぱんぱんに浮腫んでるのはご愛嬌だなんて可愛いYouTuberのようには決してとても言えない顔を見て浮腫んでるけどちょっとだけさっぱりした顔に化粧水なんてつけてちゃんと私してます感を自分のために出すんです。トイレも行っちゃってああ起きましたよ私。って再確認。そのまんま鏡台に座ってマッサージなんてしながら顔面施工工事開始。なんて面倒な工程なんでしょう。面倒なのにやり始めたら色々私はつけたりSNSで見た可愛くなる方法なんか試したくなって顔面をいじくりまわすタイム。私決してケバい部類ではないけれど薄い方でもない。化粧面倒だから3分なんてそれだけで褒められる空気があるけれど私はその点では不合格者。だって3分なんて3分のお顔で外に出ればそれこそ24歳不合格者で戻れなくなってしまう。たぶん自分のことを守るために少しでも守ってあげるために今日も今日とて顔面工事をする。だって施工前より幾分は鎧のような安心感があるんですもの。だから私は今朝も天国から脱出してまた天国に戻るための戦闘準備を開始する。